日本・世界の自転車と街
旅や仕事・日常生活を通して、日本そして世界の自転車にまつわるトピックスを、
様々な分野で活躍するサイクリストが語ります。

2022年1月13日

「街の自転車技術」キャットアイ/最新技術と手仕事の融合。日本発・世界基準のリフレクター&自転車用ライト、サイコンを製造する開発型メーカー

「道路交通法などで定められているから・・・」という理由だけでなく、自転車用ライトとリフレクター(反射器材)は安全に自転車を走らせるための必需品です。近年ではクルマとの死傷事故の78%は昼間に発生していることから(「公益財団法人交通事故総合分析センター」イタルダインフォメーションNO.88)、昼間にライトを点灯する「デイライト」を推奨される機会が増えるなど、夜間に走行する人だけでなく自転車に乗るすべての人にとって“安全につながる明るさ”を持った製品を選ぶことに注目が集まっています。

1954年に大阪で誕生した「キャットアイ」は、日本初の本格的リフレクター製造から始まり、現在では自転車用ライトの国内シェア4割以上、リフレクターに至っては国内シェア5割以上、アメリカやヨーロッパにおいても2〜3割以上を占め(「キャットアイ」社内データから算出)、世界50ヵ国以上で“光って安全性を高める”製品を販売しています。

さらにサイクルコンピューターや様々な道路の交通安全施設用具などの開発・製造・販売も行い、リフレクターは大阪河南町にある工場で、ライトとサイクルコンピューターにおいては、岡山県にある吉井工場を中心に生産を行っています。

今回、普段は「部外者立入禁止」の吉井工場の製造ラインに潜入! ドイツの厳しいライト規格に適合した「GVOLT」シリーズや前後ライトが連動する「SYNC(シンク)」シリーズなどが製造される現場を取材してきました。

開発から製造、技術革新まで明るさを追求。社内一貫で作られるこだわりの自転車用ライト

吉井工場内に入ってまず驚くのが、想像以上に人の手仕事の連携によって製品が生み出されていることです。決められた製品をただ作り続けるならばロボットによる製造が効率的かもしれませんが、開発から製造の流れの中で必要に応じて改良が加えられていくキャットアイ製品の場合、細かな変更などに柔軟に対応できる人によるモノづくりの方が効率いいという経験則から生まれた製造のカタチです。

「国内生産の強みは対応がスピーディな点です。吉井工場では販売前の試作も行い、トライ&エラーを繰り返しながら不具合を最大限なくした製品を生み出すことを心がけています。例えばUSBケーブルを繋ぐ端子部分のカバーを閉める硬さなども、試作の段階で製造に携わっている社員からの意見があればすぐに開発部門とその問題を解決しました。実際に人の手を通って作り出された製品だからこそ高い品質を維持できるのだと考えています」と話すのは製造本部 開発本部長の網本昌浩 さん。

高品質なドイツ規格の計測設備を完備。モノを通して「安全」を届けるという誇り

製造工程の中には多くの最新の技術も取り入れられています。最も注目すべきは、すべての製品が高い品質で工場出荷するための設備です。製造の流れのなかで一度充電して実際に照らした状態をカメラで撮影し、輝度を確認する品質検査工程をすべての製品で実施しています。

さらに、厳しい基準での品質管理が求められるドイツのライト規格検査で実際に使用されている検査機器が工場内に設置され、光が照射される中央だけでなく横や縦の光量も詳しく計測し、日本国内だけでなくドイツなど世界各国の基準をクリアした高品質な製品を作り続けています。

厳しい基準が求められているドイツでは、歩行者や車のドライバーの目に直接光線が当たらないにように上半分の配光をカットしたモデルのみが販売されています。このサイクリストだけでなくすべての人にフレンドリーな製品は「GVOLT」シリーズとして日本でも2021年から販売が開始されました(“G”はGermany=ドイツのG)。

ただ明るいだけではない。安全性につながる技術革新を盛り込んだ新製品が続々登場

キャットアイの吉井工場からはGVOLTシリーズ以外にも様々な最新技術が投入された自転車用ライトが続々と作り出されています。

SYNCシリーズは、スマートフォンアプリを使用し、対応するライトとセイフティライトを最大7台まで連動することが可能です。これによって自転車から降りていちいち後ろ側のセイフティライトを点ける必要がなく、前側のライトを点けることで同時に後ろ側も点灯させることができる便利なシステムです。

さらにこのSYNCシリーズのライトは、デイライトでの使用も考慮され、昼間でも見やすい発光を追求した製品となっています。

SYNCシリーズでは輝度の確認だけでなく、ライト・セイフティライトの連動状況もすべての製品で人の手によって確認された後に出荷

さらに加速度センサーを内蔵し、減速すると輝度が上がるブレーキ(キネティック)モードを搭載したセーフティライトも登場。自転車通勤などの街中でのライド時だけでなく、仲間と一緒にツーリングした際の安全性の向上に役立つアイテムとして注目されています。