コラム

2020年10月15日

ロングライドが楽しくなる7の蘊蓄

ひとりで走るのも良し。イベントに参加するのも良し。仲間と走るとさらに良し。

百人百様のロングライド。知っていればさらに充実する7つの蘊蓄(うんちく)をご紹介。

蘊蓄① 事前練習はどうやる?
「最初の壁は100km! センチュリーライド160kmは自転車版フルマラソン」

アメリカ発祥で、今では日本各地でも開催されている“センチュリーライド”は、センチュリー=100マイル(約160km)を走るロングライドイベントの総称。この160kmという距離は、自転車版のフルマラソンとイメージすると分かりやすいかもしれません。マラソンと同じで、準備や練習なしで160kmにいきなり挑戦するのは無謀で、最初は50km、続いて80km、そしてフルマラソンというようにステップアップしていくことが大切です。

 

筆者は、これまでにロングライドイベントや初めてスポーツバイクに乗る人をサポートするツーリングイベントの企画運営をしてきました。それらのイベントに参加した人たちに感想を聞くと、準備・練習をすればセンチュリーの半分・距離80kmは「大変だったけど、(平地中心ならば)意外と走りきれた」と話す人が多数。そこから160kmまで距離を伸ばしていく際に、多くの人は走行距離100kmに到達する手前で、疲れや痛みを感じる「壁」にあたる人が多いように思えます。

 

この100kmを無理なく走るための最初のステップは、サイクリングロードなどで時速20km程度(気持ちいいと感じる程度のスピード)を保ちながら何時間走り続けられるか確認しましょう(※信号や交通ルールは必ず守り、安全に走ることを最優先です!)。

小休止やペースが落ちることもあるので時速20kmで5時間走行でも距離100kmには届きませんが、まずは5時間一定ペースを守って長時間体を動かし続けることを目指します。

 

何度挑戦しても5時間走り続けられない人や、途中でどうしてもペースが落ちてしまうときには、走り方や乗車姿勢(自転車ポジション)が悪いことに原因がある場合が多いので、ツーリング講習会に参加して走り方を習うか、サイクルショップで相談してみることをオススメします。

 

蘊蓄② 楽しむためのルート選びは?
「コース設定の秘訣は“初めチョロチョロ、中パッパ、最後は平地で脚クルクル!” 」

ロングライドの計画を立てる際には、走行距離だけでなく高低差にも注意することが重要です。個人で練習やロングライドに挑戦する場合、最初は平地を走って体を温めてから上り・下り区間を走り、最後に再び平地を走ってゴールするルートを設定することがオススメ。筆者の経験上、最後に平地で軽いギヤに入れてクルクル脚を回すことで血行が促進され、疲れが残りにくくなる効果があると感じます。

 

 

またロングライドイベントに申し込む際には、事前にコースの何キロ地点から上りが始まり、何キロ上りが続くか確認しておきましょう。例えば、100kmのコースに申し込み、5時間で完走を目指すとします。単純計算では平均時速20kmになりますが、途中信号で停車し、休憩ポイントで小休止することを考慮すると、平均時速23km程度で走ると5時間でゴールできると計算。しかし上りではペースが落ちるので「平地では時速25km程度、上り区間○kmは時速10kmで走れば5時間でゴール」のような計画を立てることができます。

体を鍛えるトレーニングに加え、事前にコースプロフィールを確認して、戦略的に完走を目指しましょう!

 

蘊蓄③ 入念な事前準備を忘れずに
「デキる自転車乗りは余分なモノは持たない。事前準備で無駄なトラブルを回避!」

「何回もパンクしてしまったらどうしよう」「天気が急に崩れたらどうしよう」など様々なトラブルに対応するためには多くのアイテムを持っていきたくなりますが・・・走り慣れたサイクリストほど荷物はコンパクト。ロングライドイベント参加や日帰りで走る場合は、サドルバッグとツールケースに収納できる必要最低限のアイテムだけを携帯しましょう。

 

サドルバッグとツールケースに収納できるロングライド必須アイテム

タイヤレバー/タイヤを外す際に使用

携帯ポンプ/パンク修理の必需品!

チューブ/ロングライド時には交換して修理

バルブエクステンダー/バルブが短い時に使用

パッチ/2回目のパンク時にチューブの穴を塞ぐ

タイヤブート/タイヤに穴が空いた場合に塞ぐ

携帯工具/ボルトが緩んだ時などに対応

ワイヤーロック/イベント参加時にもあると便利

ウィンドベスト/下りで体温低下を防ぎます

アームカバー/気温が低下した時に活躍!

 

ここで挙げたロングライド必須アイテムは、様々なメーカーから色々なタイプの製品が販売されているので、サイクルショップに相談して自分に合ったものを選ぶことがオススメです。

 

 

また自転車旅行など泊りがけの場合は着替えなどが必要となり、サドルバッグとツールケースだけでは収納できないこともあります。その場合は自転車に装着できる大型バッグがおすすめです。最近では特別な工具を使う必要がなく、面ファスナーで装着できるファストパッキング(バイクパッキング)と呼ばれる大型バッグも人気です。

 

蘊蓄④ スタート前の準備は本当に重要
「大会当日のモーニングルーティンは早起き&腹八分。トイレは宿で済ませておこう!」

ロングライド大会で気持ちよくスタートする秘訣は、早起き&腹八分のモーニングルーティン! スタート時間の3時間前に起床して、軽く朝食を摂って余裕を持って準備をしましょう。大会会場では多くの人が集まるので、トイレなどが利用できないことも考えられます。朝食を早めに摂ってお腹を落ち着かせ、宿にいる間にトイレを済ませておきましょう。

ロングライドでは休憩ポイントなどで補給食を食べられるので、朝食は無理にたくさんの量を食べずに腹八分でOK。「今日は長時間運動するから」と意気込んで沢山食べるとお腹がパンパンで走りにくいだけでなく、食べ物の消化にエネルギーが使われてしまって逆効果。ロングライド途中の昼食も食べ過ぎに注意しましょう!

 

 

蘊蓄⑤ 走行中のトラブル対策
「世界中、走る仲間は皆友だち! パンク修理をスマートに手伝える自転車乗りはモテる!?」

ロングライド中に一番発生しやすいトラブルはパンク。ひとりで走る場合はもちろん、メカニックスタッフが走っている大会に参加する時も、パンク修理に必要なアイテムを携帯して自分一人で修理できるように練習しておくことが重要です。

 

 

またサイクリングロード走行中や大会に参加している際にパンクトラブルで立ち止まっている人を見かけた場合は「大丈夫ですか?」と声をかけると、ロングライドがさらに楽しくなること間違いなし! ひとりで走るロングライドも楽しいですが、修理を手伝った後一緒に走ってゴールした感動を共有すれば、仲間と走る新たな楽しさが広がります!

 

蘊蓄⑥ ロングライドの走り&休み方
「食べ過ぎ、休み過ぎ、頑張り過ぎずの“三過ぎ”NG! 上りでも心と体は前を見よう!」

蘊蓄④の通りロングライド中の食べ過ぎは集中力が落ちてしまいます。また休憩ポイントで定期的に体を休めることは必要ですが、長時間の休憩は逆効果。軽く補給食を摂り、ストレッチをして5〜10分程度休んだら再スタートしましょう。

 

しかし「食べ過ぎ・休み過ぎはNG」と書きましたが・・・地元のグルメを目的に走るロングライドが楽しいことは間違いありません! そんなグルメライドを楽しむならば食事をする場所はコース後半にして、食後の走行距離は短く設定しましょう。さらに地元グルメと共にお酒を楽しむ場合は、【飲酒運転は絶対厳禁!】なので輪行袋を携帯し、飲んだ後には公共交通機関を利用して帰宅しましょう。

 

上りで頑張り過ぎるのもNG。心臓の動きを計測できる心拍計や、サイクルコンピューターでペダルの回転数(ケイデンス)などをチェックしながら無理のないペースを守って走りましょう。上りで頑張り過ぎると顔が下を向いてしまいがちですが・・・周りの状況を確認できずに危険です。さらに顔が下を向くと荷重が前輪に多く掛かってしまうので、極端に言えば前輪にブレーキを掛けながら走っている状態になってしまいます。キツイ上り坂でも前を向いて、周りの景色を楽しむ余裕を持ちましょう!

 

蘊蓄⑦ ゴール後の楽しみ&休み方
「ドイツではノンアルコールビール!? ゴール後は楽しく栄養&水分補給で疲労回復!」

ロングライドを完走した後のビール最高ですよね! でもチョット待った!

お酒では水分補給にはなりません。ゴール後には、運動で失われた水分と栄養素を補給するためフルーツジュースなどを飲み、少し落ち着いたらお風呂でクールダウンしてから食事をして、翌日に疲れを残さないようにしましょう。

 

しかし、ビール大国ドイツのプロアスリートの中には、リカバリー効果を期待してスポーツドリンクとしてノンアルコールビールを飲む選手もいるという記事を発見!。この記事の中で効果を数値で説明されていないので本当に効果があるかは不明ですが・・・シュワっとした喉越しが運動後に最高なのは間違いないです!!

 

 

 

筆者プロフィール

星野知大/スポーツ&ジオグラフィックジャーナリスト

日本最大級のスポーツバイクフェスティバル「サイクルモード」のディレクター&司会、東京都観光まちづくりアドバイザーを務めるスポーツ&ジオグラフィックジャーナリスト。ヨーロッパを中心とした各地を取材し、とくに北イタリア・南ドイツ・イギリスに独自のコネクションを持ち、ユーロバイクや台北ショー、シーオッタクラシックなどの取材経験も豊富。

初めてスポーツバイクに乗る女子サイクリスト向けの「ジテンシャ×ジョシカイ」などの初級者から、イタリアの山岳ロングライドイベント“グランフォンド”に参加する中〜上級者向けの海外ツアーの企画同行まで、幅広いレベルのサイクリストに自転車の楽しさを提供する。

web記事では、@ DIME(小学館)や日経トレンディネット(日経BP社)などに記事を多数掲載。「東京都 伊豆大島」、「三宅島」、「伊豆3島」、「茨城県 行方市」、「所沢・飯能・狭山・入間サイクリングMAP」の制作も担当。