日本・世界の自転車と街
旅や仕事・日常生活を通して、日本そして世界の自転車にまつわるトピックスを、
様々な分野で活躍するサイクリストが語ります。

2022年2月3日

【自転車セルフメンテナンス】チェーン洗浄&注油のやり方

愛知県の西部に位置し、伊勢湾・三河湾に突き出すように伸びる知多半島。爽快な海沿いのライドを楽しめることから中京圏のサイクリストの間で人気のこの半島の根元に位置する東海市に店舗を構えるのが『スーパーサイクル』です。

地域と自転車販売店【愛知・スーパーサイクル】

オーナーの川上元気さんは、12年前に自転車販売店オープンする前から泥汚れしやすいオートバイのオフロードレースやMTBライドを趣味にしていた経験上、洗車の技術をはじめとしたメンテナンスに精通。お店で購入されたMTBやロードバイク、クロスバイクのメンテナンスだけでなく、遠方から来店した一見さんのメンテナンスの相談にも気軽に乗ってくれます。

「自転車販売店は自転車を売るだけではなく、その後のサイクルライフを快適に過ごすお手伝いすることも仕事だと考えています。いろいろな自転車販売店の考え方があると思いますが、私の店では『あそこで自転車を買っていないから行きづらい・・・』と思わず、気軽に立ち寄ってください」と川上さん。

定期的に自転車販売店でパーツを外して汚れを落とすなどの本格的なメンテナンスをすることは重要です。さらに川上さんは「日頃からセルフ洗車と注油をすることで、愛車の状態を小まめに確認できるので、安心して乗り続けることができます」とアドバイス。店頭にはチェーン洗車に使用するアイテムや防錆、潤滑、水置換といった性質をもつオイルなどが並び、セルフ洗車やオイルの選び方なども教えてくれます。

今回、家のベランダなどコンパクトなスペースでもできるチェーン洗車法と注油時の注意点を教えてもらいました。

定期的な洗浄で愛車の状態をチェック!オイル汚れは専用アイテム&クリーナーを使おう

洗車の基本はウエスを使って汚れを拭き取ることから始まります。毎回、走行した後にさっと拭き取っておけば、水などを使った洗車をする回数を減らすことができ、さらに拭いている最中にキズやケーブルのほつれなどの不具合を発見できるので、“乗ったら拭く!”を心がけることをオススメします。

次にオイルが付いているチェーン周辺がドロドロに汚れていなければ、中性洗剤を使ってフレーム、ブレーキ、変速機、チェーンなどをまとめて洗います。この時、中性洗剤の選び方に注意です! ドラッグストアなどで「中性洗剤」のコーナーで販売されている中には、成分表示を見ると「弱アルカリ性」の商品も販売されていることが多いです。成分表示を確認して「中性洗剤」を選ぶようにしましょう。

オイルが付いているチェーンの汚れが激しい場合は、ディグリーザーと呼ばれる溶剤を使って油汚れを落としていきます。そのまま使用することもできますが、チェーンに装着して回転させることで効率よく洗浄できるクリーナーキットを使うことで、周囲に飛ぶ汚れを減らすことが可能です(クリーナーキットから飛び散る汚れを完全にカットできないため、野外やマットなどの上で作業することがオススメ)。

川上さんオススメのディグリーザー「ペドロス オレンジピールズ」とクリーナーキット「ペドロス チェーンマシン3.0」

●チェーン汚れ洗浄の主な手順

STEP1:クリーナーキットにディグリーザーを入れてチェーンを逆回転

チェーンにクリーナーを装着し、メーカー指定量のディグリーザーを入れて十分汚れが落ちるまでチェーンを逆回転させます。

STEP2:クリーナーキットに水を入れてチェーンを逆回転

汚れが激しい場合は数分放置した後、クリーナーキットにメーカー指定量の水を加えてチェーンを逆回転させます。

STEP3:クリーナーキットを外して水洗い

クリーナーキットを外して中の汚れた廃液を捨て(今回のディグリーザーは生分解性なので下水に流しても環境への影響は最小限)、水とブラシでクリーナーキットを洗っておきましょう。

STEP4:ブラシで細かな汚れを掻き出す

ギヤの隙間やチェーンのコマに挟まった汚れをブラシで掻き出します。

STEP5:水をかけてチェーンを逆回転させて洗い流す

スプロケット部分の上からチェーンに向けて水を垂らしながらチェーンを逆回転させて汚れを落としていきます。最後にウエスで水気を拭き取り、乾燥させてから注油作業へ移ります。

注油で防錆&潤滑の2つの効果を手にする。チェーンからオイルが垂れないように注意!

洗車後は必ず注油することが重要です。注油作業は大きく分けて①防錆と②潤滑の2つの効果を狙った作業を行います。

●駆動系注油の主な作業

■STEP6:防錆

洗車後、隙間に残った水が錆の原因となるので、水置換性タイプを使用。他の部分に垂れないようにウエスでカバーしながらチェーン全体に吹き付けます。揮発性が高いタイプだと、そのまま潤滑剤として使うには向きません。また変速の稼働部にもこの水置換性タイプを注しましょう。

STEP7:潤滑

潤滑剤をチェーンの一コマずつ注油していきます。潤滑剤のタイプによってオンロードやオフロード、ウェットやドライといった使用環境でも使い分けできます。雨にも強いタイプは自転車通勤などで使用するのにもオススメです。

ワコーズは粘度の違いによって3種類の潤滑剤があり、その中でも「ワコーズ チェーンルブ リキッド エクストリーム」はMTBライドにも使える

ワコーズからは防錆と潤滑の両方の性質を持った水置換性タイプの「チェーンルブ」もある

また、防錆と潤滑の両方の性質を持ったオイルも販売されています。クロスバイクで軽いサイクリングを楽しむような使い方ならば、1回で注油できるので便利です。