日本・世界の自転車と街
旅や仕事・日常生活を通して、日本そして世界の自転車にまつわるトピックスを、
様々な分野で活躍するサイクリストが語ります。

2021年3月12日

3月12日は【新選組 結党の日】自転車で旅する歴史散歩/幕末の志士たちが活躍した京都の裏路地をゆく(※諸説あり)

豊臣秀吉の正室であった北政所(高台院)が秀吉の冥福を祈るため建立した高台寺近くを走行。周辺には新選組参謀を務め、その後脱退した伊東甲子太郎らが結成した御陵衛士の屯所跡も残る

京都駅をスタートしてすぐに新選組が暗躍したスポットに到着!

京都の街角には、幕末の歴史を彩った名所旧跡が多く残ります。歴史教科書で聞いたことのある場所も自転車でめぐれば意外な位置関係に驚かされることもあります。今回は、とくに新選組や坂本龍馬などが活躍した現場を中心に京都市内を回る20km程度のコースを紹介しましょう。

スタートはJR京都駅。まずは京都タワーが建つ駅北側を東西に走る塩小路通を西へ走り始めますが・・・すぐ西洞院通との交差点角周辺が最初の歴史スポット「新選組洛中最後の屋敷跡」です。さらに西洞院通から1本西側の油小路通を北に進み、木津屋橋通との角周辺は、新選組参謀で後に脱退した伊東甲子太郎が刺客によって襲われ、その先の本光寺までたどり着き石塔の前で息絶えたといいます(NHK「動画で見るニッポンみちしる」)。

油小路通を北へ走り七条通(府道113号線)を左折して国道1号線を越すと右手に見えるのが西本願寺(龍谷山本願寺)です。京都市民から「お西さん」の愛称でも親しまれているこの場所は、新選組第二の屯所としても利用されました。

小説・映画の舞台となった趣のある街並みや観光スポットとして有名なお寺をめぐる

西本願寺から七条通を西へ走り、大宮七条を過ぎて七条壬生の交差点で右折。壬生川通に入り400mほど進んで花屋街通を左へ曲がってしばらく行くと見えてくるのが島原大門。

当時のメインゲートであった島原大門

新選組の屯所近くにあった花街の名残を示す遺構のひとつです。島原大門を抜けて最初の角を右に曲がると300年以上前に創業した輪違屋があります(「観覧謝絶」の札があり、いわゆる「一見さん」お断りのお店)。浅田次郎の新選組を主題とした時代小説『輪違屋糸里』(文春文庫)は、ここが舞台となっています。

300年以上の歴史があり、現在も営業している輪違屋。建物は京都市の登録文化財に指定されている

そのままさらに100mほど進むと左手にあるのが角屋。木造2階建ての重厚な表構えのこの店では倒幕に大きな働きをした坂本龍馬や新選組局長の近藤勇も足を運んでいたそうです。

角屋を左手に見ながらさらに道なりに進み、線路沿いに北へ進んでいきます。丹波口駅を過ぎて五条通を渡ってさらに直進。一方通行の細い道をそのまま進んでいき仏光寺通を右に曲がると、かつて新選組の兵法調練場だった壬生寺が見えてきます。さらに坊城通を左折すると新選組が屯所にしていた八木家に到着。

壬生郷士であった八木家の屋敷は新選組最初の屯所が置かれた場所。見学も可能(有料)

京都御所〜河原町周辺は幕末歴史スポットが点在。歴史的事件現場の距離感に驚かされる

八木家を過ぎたら嵐山線の線路を越して四条通を右折。四条大宮駅を通過して、四条堀川の交差点を左に曲がって堀川通を進むと見えてくるのが二条城。そこから丸太町通に入って京都御所へ。京都御所の西側にある蛤御門は長州藩が挙兵した「蛤御門の変」の現場で、柱には今なお生々しい銃弾の跡が残ります。

京都の町を火の海にするほどの激戦だったという「蛤御門の変」
門の梁には弾痕がくっきりと残る

蛤御門から京都御所内を東へ走り、河原町通を右折して進むと、周囲は幕末の歴史スポットが数多く点在します。京都市役所の向かいには長州藩士で明治維新の立役者のひとり桂小五郎の像が立っている長州藩邸跡。そのすぐ近くには兵学者・思想家として多くの人に影響を与えた佐久間象山や兵学者として戊辰戦争で活躍した大村益次郎遭難の石碑がたち、池田屋事件で名高い池田屋の跡も近くに位置します。また坂本龍馬の隠れ家であった酢屋は当時の面影を残したまま現存。さらに龍馬暗殺の地である近江屋跡も近く、幕末の大事件がこんな近距離で起こっていたと驚かされます。

三条通まで戻って東へ進み、三条駅・三条京阪駅を過ぎて東山三条の交差点を右折して東大路通へ。八坂神社を過ぎてすぐの道を左折して「ねねの道」を右折。さらに「維新の道」を通って坂本龍馬らの墓がある霊山護国神社に到着。そこから五条坂を下っていき、東大路通に合流して東山七条の交差点を越えて右折。七条通を下って三十三間堂を通過して、七条駅、鴨川を超えて京都駅まで戻ってゴールとなります。
途中で歴史スポットに立ち寄っても2〜3時間あれば走ることのできる距離なので、京都グルメなどを楽しみながらのんびり走るのもオススメです。

筆者プロフィール

星野知大/スポーツ&ジオグラフィックジャーナリスト

日本最大級のスポーツ自転車ショー「サイクルモード」のディレクター&司会、東京都観光まちづくりアドバイザーを務めるスポーツ&ジオグラフィックジャーナリスト。ヨーロッパを中心とした各地を取材し、とくに北イタリア・南ドイツ・イギリスに独自のコネクションを持ち、ユーロバイクや台北ショー、シーオッタクラシックなどの取材経験も豊富。
初めてスポーツバイクに乗る女子サイクリスト向けの「ジテンシャ×ジョシカイ」などの初級者から、イタリアの山岳ロングライドイベント“グランフォンド”に参加する中〜上級者向けの海外ツアーの企画同行まで、幅広いレベルのサイクリストに自転車の楽しさを提供する。
web記事では、@ DIME(小学館)や日経トレンディネット(日経BP社)などに記事を多数掲載。「東京都 伊豆大島」、「三宅島」、「伊豆3島」、「茨城県 行方市」、「所沢・飯能・狭山・入間サイクリングMAP」の制作も担当。