日本・世界の自転車と街
旅や仕事・日常生活を通して、日本そして世界の自転車にまつわるトピックスを、
様々な分野で活躍するサイクリストが語ります。

2020年10月30日

E-bikeでチャレンジもおすすめ! 一度は走ってみたい 自転車で「○○一周」コース5選

家で過ごす時間が増えている中、「次は自転車でどこを走りに行こう?」と計画を立てている人も多いのでは? そんな人におすすめなのが、走り始めた場所に再びゴールすることで走り切った達成感を強く味わえる「一周」コース。半島や湖、湾などを一周する絶好のコースが日本各地に多く存在するなかで、多くのサイクリストに愛されている定番「一周」5コースを紹介します。

今回紹介する5コースは距離約114kmから300kmを超すものまであり、スポーツバイクに乗り慣れている人向けの比較的難易度の高いコースレイアウト。しかし最近注目されているE-bike(スポーツタイプの電動アシスト自転車)ならば幅広い年齢・レベルの多くの人が挑戦でき、途中グルメや観光スポットに立ち寄りながらの自転車旅を満喫できます!

日本一の「富士山」を360度グルっと全方位味わい尽くす!ふもと一周の絶景ルート

千円札の裏側に描かれている逆さ富士の元になった景色は「本栖湖」の北西側で見られます

雄大に裾野を広げ、天高く立つ霊峰・富士。一周する間には富士山そのものの形も変化し、さらに湖越しの逆さ富士や樹海の森から見上げる山頂など、様々な富士の姿を楽しむことができます。

富士山一周のコースは、距離を短くするため小回りしようとするとキツい上り坂が多くなるので、初挑戦は(距離は長くなりますが)少し大回りにコースを取ることがポイントになります。

湖越しの絶景を楽しめる富士五湖から走り始め、朝霧高原を抜けて国道469号線を走って富士五湖まで戻るルート(距離150km程度)は上りと距離のバランスが取れているので、初めてロングライドに挑戦しようという人にもおすすめです。

脚力に自信がある人は、南側の富士山スカイラインをコースに組み込むのもおすすめ。冬期は閉鎖になる富士宮口五合目を目指すルートには入らずに、裾野を東西方向に進めば、富士山の存在を間近に感じながら走り応え十分な爽快ルートが続きます(このルートも冬期走行は難しいので注意!)。

一周した後のおすすめグルメは名物の麺類。富士吉田市を中心に食べられている「吉田うどん」やB級グルメとして有名な「富士宮やきそば」、そして山梨県の郷土料理である「ほうとう」など、富士の美味しい水から作られた絶品麺が勢揃いです。脚力だけでなく胃袋にも自信があれば、一周途中で食べ歩きも楽しめますよ!

大迫力の滝壺のすぐ下まで行ける「陣馬の滝」

夏の海だけではない! オールシーズン楽しめる「沖縄本島」2泊3日自転車旅プラン

無料の橋としては日本屈指の長さ(約2km)を誇る「古宇利大橋」からの絶景は必見!

南国・沖縄といえば「太陽の光が燦々とふりそそぐ夏」をイメージする人が多いと思いますが、自転車旅には秋~春が快適なシーズン。夏に比べて日差しも柔らかくなり、1・2月の平均気温も17~18℃なので1年の走り始めに訪れるのにも最適です。

沖縄本島を一周すると距離300km以上となり、1日100km以上走っても3日はかかるので、途中で宿泊しながらの自転車旅を楽しみましょう。コース設定で注意するポイントは、本島北部の名護市から北側の山原(やんばる)と呼ばれる地域では商店や民家が少なくなるので、事前に補給食の準備や水分補給をしておくことが重要となります。

数多くある沖縄の絶景ポイントの中で、サイクリストにとくにおすすめしたい場所は「古宇利大橋」と「ニライカナイ橋」の2つの橋。名護市のさらに北にある屋我地島と古宇利島をつなぐ古宇利大橋の両側には青い海が広がり、空と海の境を走っているような気分を味わえます。また本島南部の南城市にあるニライカナイ橋は、青い海を見渡す高台から一気に下っていくことのできる絶景ポイントです。

沖縄には様々な地元グルメがありますが、名護市で一泊するスケジュールを組んでいるなら、その日のゴール後に沖縄を代表するブリュワリー“オリオンビール”を味わうのがおすすめ(飲酒運転は厳禁。ゴール後に飲みましょう)。オリオンビールは日本各地で飲むことができますが、今でもここ名護ですべて造られているので出来立てを味わうのはいかが?

県庁所在地・那覇市から日帰りツーリングで訪れることもできる「ニライカナイ橋」

本州&四国からのアクセス抜群で、日帰りチャレンジも可能な「淡路島」はグルメも最高!

本州と島北部を繋ぐ「明石海峡大橋」。島の海沿いの道からは明石市の街並みが見えます

関西のスポーツバイク愛好者の間でとくに人気の高い「一周」コースが淡路島。島は明石海峡大橋で本州と結ばれクルマでアクセスすることも簡単ですが、おすすめは兵庫県の明石港と島北部の岩屋港との間で運航されている高速船。自転車をバラさずにそのまま載せることができるので、気軽に島を訪ねることができます。

海沿いに島を一周すると距離約150km。中~上級者ならば1日で走り切ることも可能ですが、途中で地元特産の玉ねぎ、淡路牛などを使ったメニューや海産物などを味わいながら1泊2日で楽しむのもおすすめです。

島南部と四国を繋ぐ「大鳴門橋」の周辺には、名物の“うずしお”が渦巻いています

サイクリストの憧れ「琵琶湖」一周=通称“ビワイチ”で歴史と絶景を堪能しよう!

湖に沿って進めば道に迷うことなく走ることができる点も“ビワイチ”の魅力です

日本一の大きさを誇る「琵琶湖」を一周するルートは、“ビワイチ”という通称で呼ばれることも多いサイクリストの間では人気のロングライドコース。琵琶湖は大きな面積が広がる“北湖”と琵琶湖大橋の南側の“南湖”に分かれ、一周すると距離約200km。北湖のみの一周ルートでも距離約160kmとなります。

湖を一周するように電車も走っているので途中で引き返すこともでき、1回で走り切る自信がなければ2~3回に分けて一周に挑戦することもできます。また、周辺には比叡山や名城として名高い彦根城などのスポットも点在するので、湖沿いから離れて寄り道しながら歴史散策ライドを楽しむのもおすすめです。

歴史スポットが点在する琵琶湖周辺。写真は南湖にある湖上に立つ「浮御堂(うきみどう)」

天竜浜名湖鉄道沿いの名物駅舎&おもしろトイレ巡りも楽しい「浜名湖」一周

浜名湖を眼下に望む「奥浜名オレンジロード」は爽快なアップダウンが続く絶景ルート

静岡県西部に位置する周囲長114kmの浜名湖には「浜名湖周遊自転車道」が整備され、一周する間に名物のウナギなどを楽しむことのできるグルメライドにも最適なスポット。

湖南岸では海へと続く広々とした景色の中を走り、湖北岸付近では湖畔から離れて奥浜名の山側ルートを走ると眼下に湖を望む絶景まで楽しめます。さらに湖南西から北東方面に走る天竜浜名湖鉄道には、うなぎ丼などが食べられる食事処や手作りパンを味わえるベーカリーなどが併設されたオモシロ駅舎が数多くあり、これらに立ち寄りながらのツーリングもおすすめです。

「天竜浜名湖鉄道」沿いでは、名産のウナギやみかんをイメージしたトイレもおもしろい!

筆者プロフィール

星野知大/スポーツ&ジオグラフィックジャーナリスト

日本最大級のスポーツ自転車ショー「サイクルモード」のディレクター&司会、東京都観光まちづくりアドバイザーを務めるスポーツ&ジオグラフィックジャーナリスト。ヨーロッパを中心とした各地を取材し、とくに北イタリア・南ドイツ・イギリスに独自のコネクションを持ち、ユーロバイクや台北ショー、シーオッタクラシックなどの取材経験も豊富。
初めてスポーツバイクに乗る女子サイクリスト向けの「ジテンシャ×ジョシカイ」などの初級者から、イタリアの山岳ロングライドイベント“グランフォンド”に参加する中〜上級者向けの海外ツアーの企画同行まで、幅広いレベルのサイクリストに自転車の楽しさを提供する。
web記事では、@ DIME(小学館)や日経トレンディネット(日経BP社)などに記事を多数掲載。「東京都 伊豆大島」、「三宅島」、「伊豆3島」、「茨城県 行方市」、「所沢・飯能・狭山・入間サイクリングMAP」の制作も担当。